クローン病とは?
目次
クローン病ってどんな病気なの?
クローン病とは大腸及び小腸の粘膜に慢性的な炎症や潰瘍を引き起こす原因不明の病気です。
ウィルスや細菌が体内に侵入した際に体はそれを追い出そうとするのですが
過剰にこの反応が働きすぎてしまうと逆に身体を傷つけてしまいます、これを”炎症”と呼びます。
その炎症が消化管に起こる病気を”炎症性腸疾患”と呼び
クローン病はこの炎症性腸疾患の一つで、治らない病気であるため難病指定されています。
10代~20代の若年層に見られる病気で1932年にブリル・バーナード・クローンという
内科医の先生がはじめて報告したことから“クローン病”と呼ばれるようになりました。
よく誤解されますがクローン病は遺伝子異常とは関係なく感染も遺伝もしません。
この病気にはどんな症状があるの?
クローン病は主に小腸と大腸に炎症が起こるため激しい腹痛が慢性的に続きます。
また、個人差はありますが口腔から肛門まで、つまり口からお尻の穴まで炎症が起こる可能性があり
一口に腹痛とは言い難く”全身を蝕む苦痛”にずっとさいなまれ続ける患者さんもいるということです。
腸が過剰に反応してしまうので刺激物や脂の多いものを食べることが出来ないなど
食事に大きな制限がかかってしまいます。
治療することができない難病であるため、これが一生続くことになります。
想像してください、若者がある日病名を告げられ、これまで好きだったラーメンやお肉を食べられなくなり
刺激物である辛いものはもちろん炭酸飲料にお酒も死ぬまで飲めなくなってしまうんですよ?
その苦しみに耐えられず大量にこれらのものを摂取すると炎症によって体が傷つき、命を落とすこともあります。
腸で炎症が起き食べられるものに大きな制限がかかってしまうため
腹痛の他にも下痢や血便、体重減少も症状として現れます。
治療方法は?
クローン病の治療には大きく分けて4通りの治療法があります。
【栄養療法・食事療法】
クローン病は主に腸に炎症が起きる病気で、食べられるものに大きく制限がかかってしまいます。
そこで腸管を安静にし食事からの刺激をなくすことで症状と病変を改善していくアプローチを行っていきます。
食事療法としては絶食絶飲と呼ばれる、食事も水も一切とらずに腸を休ませる
水を取れない断食のような治療が委員長であるクローン村上は一番辛かったそうです。
栄養療法では腸へ食べ物を送ると症状が悪化してしまうので、アミノ酸を主体とした
栄養豊富なエレンタールといわれる成分栄養剤(下記画像)を経管栄養で摂取し腸への負担を減らしつつ身体の栄養状態を整えていきます。
このエレンタールを使用した栄養療法は退院後も続いていきます。
【内科治療】
症状が酷い時期には5-アミノサリチル酸製薬、副腎皮質ステロイドや免疫調節薬など内服薬を用いた治療も行われます。
また、症状が落ち着いたあとも再燃する可能性があるため、通院して継続して投与する必要があります。
【外科治療】
クローン病はさまざまな合併症を引き起こす可能性があり、もう上記の治療だけでは効果が見込めない場合
外科治療、身体にメスを入れて腸の最小限の範囲を切除します。
【内視鏡的治療】
腸狭窄症を発症している場合、内視鏡を用いて
狭窄部(腸を狭くしている患部)を拡張する治療を行います。
※内視鏡:(肛門からチューブに繋がったカメラを挿入しモニターで患部を確認する医療器具)
腸狭窄症にかかると飲食物が腸のなかで詰まってしまい、吐き気や腹痛の原因となり
お腹だけが異常に膨らんでしまい命を落とす危険があるため迅速な対応が求められます。
これだけクローン病に対して行われる治療がありますが、未だクローン病を発症する原因は解明されておらず
根本的な解決は見込めない対処療法的なものを行うしか手立てがなく、根治することはできません。
クローン病にかかってしまった場合、一生この病気と向き合っていく必要があります。
クローン病の患者さんって何人くらいいるの?
クローン病とは欧米諸国に患者さんが集中しており、日本では数少ない病気であるとされていたのですが
近年増加傾向であり潰瘍性大腸炎は約21万人、クローン病患者は*1 約7万人に達していると言われております。
(*1 参考文献:「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班 クローン病の皆さんへ知っておきたい治療に必要な基礎知識)
日本の総人口が1億2622万人(令和元年7月総務省統計局調べ)ですので
約1800人に1人がクローン病患者であるという計算になります。
クローン病になったらどうすればいいの?
クローン病は根治することが出来ず、寛解導入といって症状が落ち着いた状態へ治療を行って導くことしかできません。
よって、この病気とどう向き合っていくかが大切であり当サイト、クローン病克服委員会ではその方法をご紹介していきます。
委員長:C.村上は25年間クローン病と向き合い続け、自分なりの病気に打ち勝ち克服する方法を見つけました。
わかりやすく、そして面白くC.村上が熱血コーチとなって情報を発信していきますのでぜひお楽しみください。
参考文献
難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/entry/81
IBD LIFE
https://www.ibd-life.jp/basicinformation/cd.html
「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班
http://www.ibdjapan.org